職業訓練指導員をしていたころ。
訓練生がITの習得を頑張っていました。
多少の優劣はあれど、
みんな同じスタートラインです。
けれど訓練が進んでいくにつれ、
だんだんと差が開いていくようになります。
最初の点数は同じようなものなのに。
能力の優劣でもなさそう。
同じカリキュラムで進んでいくのに、
差が開くのはなぜなのか。
僕はその理由に非常に興味を持ちました。
よく観察するようにしたのです。
いくつかの違いを発見しました。
伸びる人と、失速する人の違い。
その内の1つが、
取り組むときの反応。
第一声に特徴がありました。
初めてのことや、
慣れていないことに取り組むとき。
「うわ、時間かかりそうー」
「えー?これ何点で合格なの?」
「げー、手応えありすぎじゃない」
「いっちょ、やってみますかー」
それぞれ目の前の高いハードルに感想を述べます。
その中で失速する人に共通する言葉をみつけました。
それが、
「難しい」
です。
取り組む前に「難しい」という人が
取り組み中に失速していく共通点。
できない自分を引き寄せる魔法のような言葉。
だから、
「難しい」と取り組む前に発言した訓練生を集中して、
別の言葉に置き換えることをサポートしました。
それが大きな違いをもたらしました。
僕は学者ではないので仮説にしか過ぎないのですが、
「難しい」は、
高いハードルにチャレンジする自分への応援ではなく、
できないことを前提として苦手意識を生み出すのだと思います。
解決するための情報の受け取りを無意識に拒否してしまう。
自分へのマイナスの自己暗示なのかなと結論づけました。
「できない」
「難しい」は
事実ではありません。
「今の自分ではやり方を知らない」
「このことにチャレンジしたことがない」は
事実かもしれません。
「どうしたらできるようになるだろう?」
取り組む前に、
できない自分を思い描くことは
その状態をそのまま引き寄せてしまう。
無意識にするマイナスの自己暗示を
意識的に自分を応援するものに変換しよう。
ハードルにどう取り組もう?